世界レベルのコンディショニング技術を日常の身体づくりへ
ケガを防ぎ、力を発揮する身体づくりとは?
「コンディショニング」と聞くと、トップアスリートが行う特別なもの、というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
でも実は、私がトップアスリートの現場で経験してきたコンディショニングの考え方は、スポーツ選手だけのものではありません。
腰痛や肩こりに悩んでいる方、運動を始めたい方、いつまでも元気に動ける身体をつくりたい方にも共通する、とても大切な考え方があります。
それは、
「痛くなってから何とかするのではなく、日頃から自分の身体を整える」
ということです。
「マッサージお願いしまーす」が当たり前だった時代。
私が2008年にラグビー日本代表のアスレティックトレーナーに就任した当時、今ほど「セルフケア」という考え方は浸透していませんでした。
コンディショニングもトレーナーに任せるという選手が多く、
「マッサージお願いしまーす。」
という光景も珍しくありませんでした。
もちろん、トレーナーが選手の身体をケアすることも必要です。
ただ、毎日のようにハードな練習をする選手たちの身体を考えれば、トレーナーにケアしてもらう時間だけでは十分ではありません。
そこでチームドクターやメディカルスタッフと話し合い、選手自身が自分の身体を整える習慣をつくっていこうという取り組みを始めました。
とはいえ、いきなり
「今日からマッサージはしません。自分でやってください」
では、当然選手から反発が出ます(笑)。
ベテラン選手にはこれまで通りある程度手をかけながら、少しずつストレッチポール、フレックスクッション、フォームローラー、マッサージスティックなどのセルフケア用品を増やしていきました。
そして、なぜセルフケアが必要なのかを伝えながら、選手教育を続けていきました。
すると、それまでは練習前のミーティングまで寝転がっていた選手たちの中にも、少しずつ自分からセルフケアをする姿が見られるようになってきました。
この変化は、今でもよく覚えています。
ケガをしてからではなく、ケガをする前に
鍼灸や東洋医学には、「未病を治す」という考え方があります。
病気になってから治療するだけでなく、まだ病気になっていない段階から身体を整えておく。
スポーツにおけるケガ予防やコンディショニングも、それに近いと私は考えています。
疲労が残ったまま次の練習を迎える。
一か所に疲労が蓄積する。
すると身体は、疲れている部分を無意識にかばって動くようになります。
その代償によって別の場所に負担がかかり、肉離れなどのスポーツ障害につながることもあります。
もちろん、すべてのケガを防げるわけではありません。
しかし、日頃から身体の状態を知り、疲労を溜めすぎず、必要なセルフケアを行うことで、防げる可能性のあるケガもあります。
感覚だけではなく、身体の状態を「見える化」する
当時の日本代表では、GPSを選手一人ひとりに装着し、練習中の走行距離やスピードなどを計測する取り組みも始まっていました。
練習量が増えすぎていないか。
疲労が蓄積していないか。
ケガが起きた場合には、その前に何らかの兆候がなかったか。
そうしたことをデータからも検証していました。
また朝食時には、選手自身が体重、体温、前屈の可動域、筋肉痛の部位、主観的な疲労度、睡眠、ストレスなどをチェック。
今のようにスマートフォンで簡単に管理できる時代ではありませんから、それをコンディショニングコーチがExcelに手入力して、チーム全体の状態を確認していました。
現在では、ONE TAP SPORTSのようなコンディション管理システムもあり、選手が入力した日々の状態やトレーニングに関する情報をチームで管理できるようになっています。
方法や技術は進化しましたが、根本にある考え方は変わりません。
「自分の身体の状態を知ること」
これがセルフコンディショニングの第一歩です。
KCCでも大切にしている「来ない日の過ごし方」
こうしたトップアスリートの現場で経験してきたコンディショニングの考え方は、現在KCCでもお客様にお伝えしています。
私が大切にしているのは、KCCでパーソナルトレーニングや身体のケアをする時間だけではありません。
むしろ、
「KCCに来ない日を、どう過ごすか」
がとても大切だと考えています。
例えば、まずはストレッチポールを使ったベーシックセブンから始める方。
肩甲骨周囲を動かす簡単なセルフエクササイズを取り入れる方。
腰痛でお悩みの方には、身体の状態を確認したうえで、フレックスクッションを利用した股関節周囲のストレッチや、体幹トレーニングなどをお伝えすることもあります。
必要なことは、一人ひとり違います。
スポーツをしているのか。
仕事で長時間座っているのか。
身体を使う仕事なのか。
年齢や運動経験はどうなのか。
そして、今その人の身体に何が起きているのか。
それらを見ながら、その人に必要な身体づくり、ケガ予防、コンディショニングを考えていきます。
世界レベルの考え方を、日常の身体づくりへ
トップアスリートだから特別な身体づくりをする。
一般の方だから必要ない。
私はそうは考えていません。
もちろん、ラグビー日本代表選手と一般の方では、運動強度も目標もまったく違います。
でも、
自分の身体の状態を知る。
疲労を溜め込まない。
自分でできるケアを習慣にする。
必要なときには専門家の力を借りる。
この基本的な考え方は同じです。
痛みが出てから身体を整えるだけではなく、痛みが出にくい身体を日頃からつくっていく。
KCCでは、これまでトップアスリートのサポートで培ってきた経験も生かしながら、一人ひとりに合ったコンディショニング、身体づくり、ケガ予防をお伝えしていきたいと考えています。